CASE 02 · 34歳女性 · Q1/5
深夜の救急外来
午前2時、救急搬入の電話が鳴る。34歳女性、数日前からの発熱と動悸、今朝から様子がおかしいと家族が救急要請した。 ストレッチャーの上で、彼女はしきりに体を起こそうとする。「暑い、苦しい」とうわ言のように繰り返し、時折こちらの問いかけに噛み合わない答えを返す。全身は汗でびっしょり濡れ、頸部は腫れ、眼球はわずかに突出して見える。発熱に加え、下痢と嘔吐も続いているという。 モニターの数字が目を引いた。体温40.2℃、脈拍148で不整——心房細動だ。家族によれば、以前「甲状腺が高い」と言われたが通院は続けていない。数日前から喉の痛みと発熱があった。発熱・頻脈・意識障害・消化器症状という多臓器にまたがる所見。この緊張の中で、見立てと初手を外さずに組み立てなければならない。