CASE 12 · 60歳女性 · Q1/4

午後の一般外来

穏やかな午後の一般外来。会社の健診結果を手に、60歳の女性が診察室に入ってきた。「血液検査でカルシウムが高いと書かれていて、精密検査を受けるように言われました」。 問診を進めると、ここ半年ほど『なんとなくだるい』が続き、のどが渇いてトイレが近い、便秘がちで気分も晴れない、と話す。年齢のせい、更年期のせい——そう片づけたくなる訴えばかりだ。 だがカルテをめくると、過去に尿路結石を何度か繰り返し、先の骨密度検査では腰椎・大腿骨頸部・橈骨遠位1/3の低下を指摘されていた。倦怠・多尿・便秘・抑うつ、結石、骨——ばらばらに見える訴えが、ひとつの代謝の異常でつながるかもしれない。健診の『カルシウムが高い』を、脱水や気のせいで流す前に、何から手をつけるか。