CASE 06 · 45歳男性 · Q1/5

深夜の救急搬送

午前2時過ぎ、救急隊からのホットラインが鳴る。45歳男性、激しい頭痛と動悸、全身の大汗を訴え、意識は清明だが「死んでしまいそうだ」と繰り返している。搬入時のモニターに目を疑った——血圧232/128、心拍は130前後で不整、顔面は蒼白なのに全身は汗で濡れている。胸の圧迫感も訴える。 家族によると、ここ数か月、同じような発作が突然起きては数十分で引いていくことを繰り返していたという。健診で高血圧を指摘され、以前の腹部画像で副腎に偶発的な腫瘤を指摘されたこともあった、と。 頻脈と胸痛を前に、「まずレートを抑えよう」とβ遮断薬に手が伸びかける。だが、この患者に限ってその一手が致命傷になりうる。何を疑い、どこから手をつけるか。