CASE 04 · 67歳男性 · Q1/5

深夜の救急外来

午前2時、救急隊からの収容要請で目が覚める。67歳男性、家族が「朝から呼びかけへの反応が鈍く、ずっとうとうとしている」と救急要請した。 搬入されてきた患者は、声をかければ目を開けるが会話は噛み合わず、口唇はからからに乾いている。付き添いの妻が、ここ数週間の様子を早口で話す。「少し前から体重が減って、腰が痛いと。便秘もひどくて。かかりつけで肺に影があると言われて、来週詳しく調べる予定だったんです。昨日からは水をがぶがぶ飲んではトイレに立って、今朝は吐いてしまって……」。 多飲多尿、嘔吐、便秘、そして傾眠。背景に悪性腫瘍を疑う病歴。ひとつの電解質異常が、これらを一本の線で貫いている可能性がある。モニターの心電図に目をやると、QT間隔が妙に短い。