CASE 10 · 45歳女性 · Q1/4

外来の情景:『メタボが悪くなる一方』

午前の一般内科外来。予約の合間に紹介状を持った女性が入ってきた。45歳、少し息を切らし、椅子にゆっくり腰を下ろす。 「血圧の病院、糖尿の病院、コレステロールの病院——全部別々に通っているんです。それでも、ここ数か月でどんどん太って、顔も丸くなって。メタボが悪化しているだけだと言われるのですが、本当にそれだけなんでしょうか」。 カルテを繰ると、高血圧、糖尿病域のHbA1c(6.9%)、脂質異常がそれぞれ別の医療機関で治療されている。顔は赤みを帯びて満月のように丸く、首の後ろから肩にかけて脂肪が盛り上がる。問診を進めるうち、彼女は困り顔で付け加えた。「最近、椅子から立ち上がるのがつらくて。あと、ちょっとぶつけただけで青あざができるんです。生理も乱れていて」。 三つの生活習慣病が若くして同時に進み、見た目が数か月で急変している。これを『メタボの悪化』と片づけてよいのか。ひとつの原因で全部を説明できないか、という問いがよぎる。