CASE 01 · 58歳女性 · Q1/5
深夜の救急搬送
午前2時過ぎ、救急隊からのホットラインが鳴る。「58歳女性、倦怠感と嘔気、ふらつきで動けなくなり家族が救急要請。血圧が低く、意識ももうろうとしています」。 数分後、ストレッチャーで運ばれてきた女性はぐったりとして呼びかけへの反応が鈍い。JCS I-2、BP76/44、HR112、BT37.9。皮膚はやや乾いて冷たく、末梢はしっとりしない。付き添いの夫は「数日前からお腹を壊して吐いていました。ここ数日は食事もほとんど摂れていなくて」と話す。 深夜、ショックの患者。まず輸液路を取り、蘇生と並行して原因を考えなければならない。敗血症か、循環血液量減少か——鑑別の網を広げつつ、見落としてはならない内分泌の病態がこの中に潜んでいる。